大人の風疹ワクチン公費助成拡大についての私の意見
風疹ワクチンについて。
本会議質疑日に動議で
「大人の風疹ワクチン
公費助成拡大に関する意見書」
というものが提案されました。
提出先は東京都に対するものです。
その内容ですが、求めているのは2点。
1点目はすでに妊娠している女性が
風疹にかからないように、その夫に対して
今現在は「半年間の周知期間」として
助成をしていたのですが
9月いっぱいで期間が終わるため、
10月以降も続けて欲しい、というもの。
そして2点目は、助成の対象を
19歳から40歳代のすべての男性へと
拡大することでした。
1点目については、同意できるものでした。
しかし、2点目は地方自治法の考え方に
私は反すると考えています。
その理由を記します。
そもそも大人の風疹ワクチン公費助成事業は、
「先天性風疹症候群の発生防止」を目的に
開始されました。
免疫のない女性が妊娠初期に風疹にかかると、
胎児にも風疹の影響が及び
障害が残るなどの症状が出ます。
これが「先天性風疹症候群」です。
先天性風疹症候群を発生させないようにするために
公費助成の対象者は「妊娠を予定または希望する女性」、
これが「区分A」です。
しかし、すでに妊娠している女性は
ワクチン接種を受けることができません。
なので、女性が風疹にかからないように、
その夫を「区分B」として、
風疹予防やワクチン接種の重要性が
普及するまでの期限を区切って
対象者に加えたものです。
この予防接種事業の対象者は、
妊娠を希望する女性、
そして、妊娠をしているために
予防接種を受けることができない女性の夫、
ということになります。
10月以降は区分Bに対する
半年の周知期間が終了するため、
本来の対象者である区分Aのみとなります。
この意見書の1点目は、
区分Bに対する周知期間は終わるけれども
伸ばしてほしい、という内容です。
区分Bは区分Aの本人が
ワクチンを接種できない場合の代替策ですから、
先天性風疹症候群の発生防止という目的を
達成することを考え、賛同しました。
2点目について、区分Bの対象を
19歳から40歳代の全ての男性へと
拡大することについてですが、
今申し上げたように、区分Bは区分Aの本人が
ワクチンを接種できない場合の代替策なので
対象者を拡大することで目指す効果は
期待できないのではないかと考えます。
対象者を拡大することで、
風疹の流行自体を阻止するという
【別の目的】で予防接種事業を行う場合には、
高い接種率が求められます。
免疫のない人、全員に対して
接種をするなどの国策が必要ということです。
しかし、9月12日(木)の
医療介護CBニュースでは
「風疹・麻疹混合ワクチン接種後に2人死亡-
副反応症例、厚労省が検討部会に報告」
という記事がありました。
こういった現状から考えると
全員に対して接種をするということは
選択できないと考えます。
ある地域だけ助成を拡大して
別の地域では行わない、
打ちたい人だけ打つという「任意接種」では
助成を拡大したところで
多少、接種者が増えるだけで
流行自体を阻止するという目的の達成には
ほど遠い薄い効果しか期待できません。
なので、現状の任意接種で
風疹の流行自体を阻止するということは
この年齢の男性に拡大しても、
目的の達成は困難であると考えます。
「先天性風疹症候群の発生防止」
という目的を達成させるためには、
2点目に記載の事項よりも
区分Aの妊娠を予定または
希望する女性に対しての抗体検査や
予防接種事業の強化が必要であると
私は考えます。
地方自治法第2条第14項には
「地方公共団体は、
その事務を処理するに当つては、
住民の福祉の増進に努めるとともに、
最少の経費で最大の効果を
挙げるようにしなければならない。」
とあります。
効果が期待できないところに
税金をつぎ込み、助成をすることは
上記の条項に反すると考えます。
そもそも目的は
「先天性風疹症候群の発生防止」です。
風疹自体を社会から根絶させるのであれば
その手法は別の方法になるはずです。
それがなかなか理解されず
このような意見書が提案されることは
心から残念でなりません。
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